温度ヒューズ取り扱い作業上の注意事項
温度ヒューズをご使用頂く際、本要項を充分ご留意の上、ご使用下さい。[1] 温度ヒューズ取り付け設計上の注意
- 温度ヒューズの両側リード線と本体が充分に熱を受けられるように設計して下さい。(図1)
- 温度ヒューズのリード線をできるだけ長く熱を感知し易くして下さい。
- 温度ヒューズを巻線機器(モーター・トランス等)に使用する場合には、できる限り巻線の熱を感知できる場所に取り付けて下さい。
- LE/LE-Tタイプをご使用する場合には、温度ヒューズ本体に温度勾配が発生しないように設計、取り付けをして下さい。熱源からの熱が本体金属ケースのリードカシメ側のみから伝わるような状態が長時間続くと温度ヒューズの寿命が短くなったり、動作異常の原因になることがあります。どうしても片側のリード線からしか熱を受けることが避けられない場合は、エポキシ樹脂側のリード線を熱源側に接続するようにして下さい。
- LE/LE-Tタイプは、本体の金属ケース部分に電流が流れます。絶縁されておりませんのでご注意下さい。また、エポキシ樹脂側のリード線が金属ケースに触れている場合、可動接点が動作しても回路が遮断できません。エポキシ樹脂側のリード線を金属ケースに接触させない様にご注意下さい。

[2] 温度ヒューズ取り付け作業上の注意
- リード線を折り曲げて使用する場合、リード線根元を固定し温度ヒューズ本体より3㎜以上離した部分を緩やかに曲げて下さい。(図2)
- リード線折り曲げの際にケースやリード線を破損しない様、注意して下さい。
- リード線に無理な引張り、押し付け、ねじれの無い様にして下さい。
- 実際作業条件下で試験し、リード線に表-3に示す引っ張り、または押し力が加わらない様にして下さい。また、過度のねじれが加わらない様にして下さい。
- 本体(ケース)に対してリード線を回転させないで下さい。
- LE/LE-Tタイプは、ケースが変形すると可動接点の移動が妨げられ、動作異常の原因になる恐れがあります。ケースに荷重がかかり、ケースが変形しない様にご注意下さい。

表-3 JIS C6691に基づく引張り、押付け、折り曲げ試験仕様
| タイプ | 引張り | 押付け | 折り曲げ |
| N, T, K | 4.5N (0.45kgf) | 1.2N (0.12kgf) | 90°/1回 |
| H, HU | 4.8N (0.49kgf) | 1.2N (0.13kgf) | 90°/1回 |
| V | 5.3N (0.54kgf) | 1.4N (0.14kgf) | 90°/1回 |
| E, Y | 7.7N (0.79kgf) | 2.0N (0.20kgf) | 90°/1回 |
| L, LE, LE-T | 15.8N (1.61kgf) | 4.0N (0.41kgf) | 90°/1回 |
[3] リード線のはんだ付け条件
1K-F,T-F,V-F,Y-F,L-F,N-F,H-F,E-F,HU-Fタイプ- はんだ付けによる過度の熱が温度ヒューズに加わらない様にして下さい。
出来るだけ低温度・短時間で行って下さい。
仮に高温・長時間ではんだ付けを行う場合は、リード線をペンチ等の冶具でつかみ、放熱させることをお奨め致します。 - 表-4は、はんだ槽温度420°C±5°Cでのはんだ付け距離と時間の参考値です。
(加熱は必要最小限に抑えて下さい。) - はんだ付け時及びはんだ付け直後に無理な引張り、押し付けを加えない様にして下さい。
リード線を固定している封止材が軟化し、不良原因となる可能性があります。 - はんだ付け作業後、30秒以上放置して下さい。
この放冷時間中、温度ヒューズ本体とリード線は動かさないで下さい。
温度ヒューズが常温まで冷える前に無理な力が加わると不良の原因になります。
再はんだを行う場合は、温度ヒューズを室温まで冷却してから行って下さい。 - リフローはんだ付けは出来ません。

表-4 はんだ付け参考値(420±5°C)
●アキシャルタイプ
| タイプ | 公称動作温度[°C] | はんだ付け距離 | ||
| 10mm | 20mm | 30mm | ||
| K-F | 65 | * | * | * |
| 76 ~ 102 | * | * | 1 | |
| 115 ~ 127 | * | 3 | 5 | |
| 133 ~ 145 | 1 | 3 | 5 | |
| T-F | 65 | * | * | * |
| 76 ~ 102 | * | * | 1 | |
| 115 ~ 127 | * | 3 | 5 | |
| 133 ~ 145 | 1 | 5 | 5 | |
| V-F | 65 | * | * | * |
| 76 ~ 102 | * | * | 3 | |
| 115 ~ 127 | * | 3 | 5 | |
| 133 ~ 145 | 1 | 5 | 5 | |
| Y-F | 65 | * | * | 1 |
| 76 ~ 102 | * | 1 | 3 | |
| 115 ~ 127 | * | 5 | 5 | |
| 133 ~ 145 | 1 | 5 | 5 | |
| L-F | 76 ~ 102 | * | 1 | 3 |
| 115 ~ 127 | * | 5 | 5 | |
| 133 ~ 145 | 1 | 5 | 5 | |
| 単位:sec. |
●ラジアルタイプ
| タイプ | 公称動作温度[°C] | はんだ付け距離 | ||
| 10mm | 20mm | 30mm | ||
| N-F | 65 | * | * | * |
| 76 ~ 102 | * | * | * | |
| 115 ~ 127 | * | * | 5 | |
| 133 ~ 145 | * | 3 | 5 | |
| H-F HU-F |
65 | * | * | * |
| 76 ~ 102 | * | * | 1 | |
| 115 ~ 127 | * | 3 | 5 | |
| 133 ~ 145 | 1 | 5 | 5 | |
| E-F | 65 | * | * | * |
| 76 ~ 102 | * | * | * | |
| 115 ~ 127 | * | 1 | 5 | |
| 133 ~ 145 | 1 | 5 | 5 | |
| 単位:sec. |
*印 : 熱伝導防止対策が必要。
- はんだ付けによる過度の熱が温度ヒューズに加わらない様に注意して下さい。
- 表-5は、はんだ槽温度420°C±5°Cでのはんだ付け距離と時間の参考値です。
(加熱は必要最小限に抑えて下さい。) - 自動ディップはんだ付け時、プリヒート温度管理を適切に行って下さい。
- はんだ付け作業時及び取り付け時に於いて、リード線に無理な引張り、押付け、ねじれ等の力が加わらない様、注意して下さい。
リード線を固定している封止部が損傷し、不良原因となる可能性があります。 - はんだ付け作業後、5分以上放置して下さい。
この放冷期間中、温度ヒューズ本体とリード線は動かさないで下さい。 - リフローはんだ付けは出来ません。
表-5 はんだ付け参考値(420±5°C)
●アキシャルタイプ
| タイプ | 公称動作温度[°C] | はんだ付け距離 | ||
| 10mm | 20mm | 30mm | ||
| T-X | 65 | 1 | 5 | 5 |
| 76 ~ 102 | 1 | 5 | 5 | |
| 115 ~ 127 | 5 | 7 | 7 | |
| 133 ~ 145 | 5 | 7 | 7 | |
| 単位:sec. |
●ラジアルタイプ
| タイプ | 公称動作温度[°C] | はんだ付け距離 | ||
| 10mm | 20mm | 30mm | ||
| N-X | 65 | * | * | 1 |
| 76 ~ 102 | * | 1 | 5 | |
| 115 ~ 127 | * | 3 | 5 | |
| 133 ~ 145 | 1 | 3 | 5 | |
| H-X HU-X |
65 | * | * | 1 |
| 76 ~ 102 | * | 3 | 5 | |
| 115 ~ 127 | 3 | 5 | 7 | |
| 133 ~ 145 | 5 | 5 | 7 | |
| E-X | 65 | * | * | 1 |
| 76 ~ 102 | * | 3 | 5 | |
| 115 ~ 127 | 1 | 5 | 7 | |
| 133 ~ 145 | 3 | 5 | 7 | |
| 単位:sec. |
*印 : 熱伝導防止対策が必要。
[4] 圧着及び溶接作業上の注意
- 温度ヒューズを圧着又は溶接により取り付ける場合は、封止部にストレスが加わらないように温度ヒューズ本体より3mm以上離して確実に接続して下さい。
- 圧着又は溶接条件は接続部の接触抵抗及び接続強度を確認してから条件を設定して下さい。
仮に接続状態が悪いと接触抵抗が高くなり、過度な熱が発生して温度ヒューズの早切れの原因となる可能性があります。
[5] 品質管理上の注意事項
-
温度ヒューズの受入時及び取り付け後の状態を調べるには、リード線間の抵抗値を測定したり、X線で内部の状態を確認するのが有効な手段です。
[6] 保管の注意事項
- 温度ヒューズが包装箱またはポリ袋に入った状態で温度-10°C ~40°C、相対湿度30~75%で、急激な温湿度変化がなく、直射日光、振動及び衝撃などが加わらない場所で保管して下さい。
- LE/LE-Tタイプは、銀メッキ処理が施されている箇所があります。従いまして、硫化等により変色し、ハンダ付け性が低下する恐れがあります。ダンボールや輪ゴム等、硫黄ガスが発生するものに接触させない様にして保管して下さい。開封後は、速やかにお使い頂くことをお奨め致します。
開封後、やむを得ず保管する場合は、硫黄ガスに触れない様、密閉した容器の中で保管して下さい。
温度ヒューズ使用上の注意事項
安全上のご注意
この資料は温度ヒューズの機能を保つための取り扱い注意事項を述べたものです。ご使用前に取り扱い注意事項を必ずお読み頂き、充分にご理解下さい。
当Webサイトに記載の製品をご使用頂く際には、事前に納入仕様書をお取り交わし頂きます様、お願い致します。
当Webサイトに記載の設計・仕様について予告なく変更する場合があります。
それらが不適切なことにより発生する事故につきましては貴社の責任となり、弊社は責任を負いかねますのでご承知下さい。
[1] 電流ヒューズとして使用しないで下さい。
温度ヒューズは熱の異常な上昇を検知し、回路を遮断する目的で作られています。過電流で切れる電流ヒューズの機能はありません。電流ヒューズのような使い方をすると電流ヒューズとして作用しないばかりか、温度ヒューズとしても作動せず、事故の原因となります。
[2] 温度ヒューズには温度定格・電気定格が定められていますので、それぞれの定格の範囲内で使用して下さい。
定格電圧または定格電流以上を通電すると自己発熱が大きくなり、早切れの原因となるだけでなく、動作時に大きなアーク電流が発生し、外観の異常(本体のひび割れ、変形など)や接点の溶着、絶縁劣化の原因となることがありますので定格電圧・電流以内でご使用下さい。過渡的な過負荷が加わる場合は、機種ごとに最悪条件を想定して確認試験を繰り返し行った上、ご使用の可否を決めて下さい。
[3] 温度ヒューズが常時使用温度を超えないように機器の設計をして下さい。
常時使用温度以上で連続使用しますと早切れ、遅切れ等、動作異常の原因となります。動作温度に近い温度で使用しますと、使用中に温度ヒューズが動作することがあります。
[4] 温度ヒューズが動作した後はマキシマム・テンプリミット(Tm)を超えないように機器の設計をして下さい。
[5] 航空宇宙機器・航空機器・原子力機器・生命維持装置及び輸送機器のエンジン制御機器及びそれらに関連する機器に使用しないで下さい。
温度ヒューズは家庭電気製品・OA機器・コンピューター通信機器・計測機器等の一般機器に使用することを目的に作られています。
[6] 温度ヒューズを水や有機溶剤などの液体中、亜硫酸ガスや窒素酸化物ガスなどの腐食性ガス中、及び高湿度雰囲気中で使用しないで下さい。
温度ヒューズの材質が劣化して、温度ヒューズが動作しなくなる恐れがあります。
[7] 温度変化が激しい環境に長時間曝された場合、可溶合金が変形し、早切れや遅切れの原因となる場合があります。
ご使用になる環境を事前に調査し、ご使用下さい。
[8] お客様が用途に応じて温度ヒューズの品種選択・取り付け方法を決定し、その適否を判断して頂く必要があります。
決定が妥当であるかどうかを評価するために機器を通常使用状態や予測される可能な限りの異常状態にして、繰り返し試験し、ご確認頂くことをお奨めします。本カタログには、温度ヒューズ単体での仕様、注意事項を記載しております。ご使用に際しては、必ず貴社製品に実装された状態でご評価頂き、選定して下さい。
[9] ご使用の際、温度ヒューズに激しい振動や過度の機械的ストレスが加わらないようご注意下さい。
早切れや遅切れの原因となる場合があります。
[10] 一般消費者が温度ヒューズの交換を行わない様に、取扱説明書等で注意して下さい。
保管条件
製品が包装箱またはポリ袋に入った状態で温度-10°C~40°C、相対湿度30~75%で、急激な温度変化が無く、直射日光、振動及び衝撃などが加わらない場所で保管して下さい。
